八王子市は、テレビドラマやCMのロケ地を誘致する取り組みの一環として、市内の公共施設や観光地、大学など271カ所の候補地を独自に選び、所在地や管理者などの情報をまとめてデータベースを作成した。制作側の幅広い要望に応えるのが狙いで、市はイメージアップや観光客の増加につなげたいと意気込んでいる。
自治体が制作側の撮影依頼に応じ、公共施設を無料で貸したり、ロケ地探しを手伝ったりする事業は「フィルムコミッション(FC)」と呼ばれ、最近新しい観光振興策として注目されている。東京都がアクション映画のシーンに協力したのは有名な話。
八王子市は2004年1月に観光課を窓口にしてこのFCを開始。都心に近く、市街地と自然が混在する地域性が好評で、2003年度には15件だった撮影実績は、2004年度には45件に増えたという。
2003年に放映されたフジテレビ系の連続ドラマ「ハコイリムスメ!」では、高尾山中の十一丁目茶屋がロケ地に選ばれ、飯島直子と深田恭子の仲のいい姉妹により高尾の自然が全国放送で紹介された。観光課によると、この効果で高尾山の観光客は若者を中心に例年より3割増えたという。
一方、制作側からは「明日までにロケ地を探してほしい」と突然求められることもあるという。同課は「制作側は、複数の自治体に同時に照会することがある。迅速に対応しなければ、八王子がロケ地に選ばれない」と話す。
そこで、事前に候補地をリサーチし、管理者が市以外の場合は、撮影を了承するかどうかの聞き取りも実施。周辺のトイレや駐車場、コンビニエンスストアの有無などの情報も調べ、データベースにまとめたという。