高尾の豆知識 


  


 高尾山縁起によれば、ここを開いたのは遠く聖武天皇の時代にさかのぼるらしい。

 この時代は、日本古代史の中で最も華やかな奈良時代であり、奈良の都には東大寺の大佛殿などが造営され、日本全国六十余州の各々の国には、国分寺が建立された。

 真言宗智山派大本山である高尾山薬王院は、奈良時代の天平十六年(744)に聖武天皇の勅命を受け、東大寺大仏の建立の悲願のため諸国に国分寺造営を命じた天皇の願いを達成すべく薬師の像を刻んだ行基菩薩が東国鎮護の祈願寺として、道を開いたと言われている。



1-14.断層


 高尾山をはじめこの周辺の山々は、1億年ほど昔は海底にあったと思われます。この海に、今からおよそ7千万年~1億年前の間を通して地層が堆積していったと考えられています。この層は、その後の度重なる地殻変動により盛り上がり、高尾山とその周辺の山々となっていたわけです。     

 ところで、高尾山は、植物の宝庫と言われています。その山肌は、ほとんどこれら豊富な植物で覆われているのですが、一部、その山肌を直に覗かせているところがあります。そして、そこでは「断層」がはっきりと確認できるのです。断層というのは、地質学的には、「地盤あるいは岩盤中のある面を境にして、その両側で変位が認められる割れ目」と定義されているようです。地震が起こるとよく悪者にされるあの「活断層」の「断層」です。断層は、よく山肌を削る宅地造成地域で見られたものですが、近年、このような状況にはとんとお目にかかりません。

 さて、日本列島は、古生代から中生代という地質時代に形成されていると考えられており、よく学生時代に地学で学んだあの強大な「地殻変動」でできた列島ですので断層は日本列島形成活動の結果と言えます。従って、その意味では本来、日本中どこにでも断層は見られるはずです。しかし、都会に住んでいると先ほどの話ではありませんが、そうそう山肌を覗く機会もありませんので、高尾山のようにハイキングがてら見られるのは本当に絶好に機会でしょう。

 というわけで、地質に興味のある人は、是非、高尾山口から自然研究路6号路を歩いみることをお勧めします。高尾山周辺では数箇所の断層を確認できるのですが、6号路で見ることのできる断層はとても見やすくはっきりしたものですので、この路は最高の観察路と言えます。

 ケーブル山麓駅の左に小さな川が流れており、それに沿った道が6号路となっています。この研究路に沿って高尾山を登っていくとほどなく左に黒色の粘板岩や砂岩を見ることができます。また、岩屋大師の少し手前では、比較的大きな断層が見られます。この一帯は、ここかしこにこのような断層が見えることからも、この辺の谷は断層によってできた谷と言えます。



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