高尾の豆知識 


  


 高尾山縁起によれば、ここを開いたのは遠く聖武天皇の時代にさかのぼるらしい。

 この時代は、日本古代史の中で最も華やかな奈良時代であり、奈良の都には東大寺の大佛殿などが造営され、日本全国六十余州の各々の国には、国分寺が建立された。

 真言宗智山派大本山である高尾山薬王院は、奈良時代の天平十六年(744)に聖武天皇の勅命を受け、東大寺大仏の建立の悲願のため諸国に国分寺造営を命じた天皇の願いを達成すべく薬師の像を刻んだ行基菩薩が東国鎮護の祈願寺として、道を開いたと言われている。



1-11.炭で守れ! 高尾の環境


 炭の効用によって松枯れなどを食い止め、自然環境を守ろうという研究が進められている。
日野市にある明星大理工学部の吉沢秀治教授と炭化装置開発会社のベンチャーバイザーのグループが高尾山で取り組んでいる。
 同教授によれば、国内の山林では松などの立ち枯れが進み、対策が急がれているという。松枯れの原因としてよく挙げられるのは松食い虫被害だ。だが、原因にはほかにも諸説あると言われている。

 その一つに酸性雨の影響がある。酸性雨は、化石燃料などの燃焼で生じる硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で反応して生じる硫酸や硝酸などを取り込んで生じると考えられるpHの低い雨のことをいうが、雨の他に霧や雪など(湿性沈着)及びガスやエアロゾルの形態で沈着するもの(乾性沈着)を全てあわせて酸性雨と呼んでいる。
 欧米では、酸性雨によると考えられる湖沼の酸性化や森林の衰退が報告され、国境を越えた国際的な問題となっている。 土壌には多量の微生物がいるとされる。この微生物は樹木に栄養を与える働きがあるが、酸性雨が降ると死んでしまうため、樹木に栄養が行き届かなくなる。また、土が酸性になると、植物の栄養素の一つであるリン酸を吸収できなくなるというのだ。

 吉沢教授らは、酸性土壌を中性化させる効用のある炭に注目し、大量の炭の粉をまくことによって、樹木や山林全体を活性化できるのではないかと考え高尾山で研究を始めたという。木や竹を600~800度の高温で約10時間かけて、炭化処理をすると弱アルカリ性になる。この炭の粉を酸性雨が降った土壌にまくと中性化し、樹木がリン酸などの栄養素を吸収しやすくなる、とみている。





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