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高尾通信
圏央道反対運動の高まり


保護運動の高まり

「公共」に名を借りた大土木工事がいかに自然を荒らし国の財政と地域経済を硬直させ、国民の健康をも蝕んできたことに対する批判が高まり、大きな流れになってきた。この国民的動きに対抗するかのように圏央道は国定公園・高尾山を襲っています。

この圏央道工事計画は、市街化区域と市街化調整区域の自然環境の豊かな境界部分を通過することが多く、自然環境の破壊と乱開発を誘発すると共に、市街地を通過することによる公害発生など住環境の悪化が危惧され、多くの住民の反対運動が起きた。

特に、圏央道工事計画は、明治の森・高尾国定公園および都立高尾陣場自然公園となっている高尾山や、国史跡八王子城跡をトンネルで貫き、裏高尾に巨大なジャンクションを建設することとしている。そのため、都民の貴重な自然の宝庫である高尾山および八王子城跡を圏央道工事から守ろうとする自然保護運動が、圏央道による八王子城跡および高尾山にトンネルを掘らせない運動として、1984年以来今日まで強く続いている。

ところで一部の心ない人たちの間から「圧倒的に多くの人々が圏央道が完成するとその恩恵を被るのだから、高尾山麓の一部の住民の被害はしかたない。住民の自然保護運動は、エゴだ。」という声も聞こえてきます。
そうでしょうか?逆に地元の住民は、都会の人々が忙しさにかまけて忘れられようとしている自然への暖かい心を代弁してくれているのではないのでしょうか。
住民のエゴ、大いに結構。
このエゴを通さねば都会の多くの人々が失ったものの大きさに気がついたときは、時すでに遅しということになっているのですから。   
                                   
 天平16年(744)に僧行基により開山され、以来1200年以上の長きにわたって時の為政者達にも手厚く保護され、自然を守り続けた高尾山。この自然を我々の代で潰してしまうのはとても悲しいことです。交通量の緩和、それは人間文明にとっても大切なことでしょう。しかし、その名の下に自然を葬り去る権利はだれも持ってはいません。  



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高尾山宣言

98年7月20日に行われたの圏央道反対集会では故峰尾幸友氏の孫の俊太郎君が高らかに、高尾山 宣言を述べ、今年14周年のテーマ「高尾山はぼくたちのもの」であること、宣言は「百万人署名」 の前文となり、百万の人々の共感を得るだろうと訴えた。 以下は「高尾山宣言」の全文です。

首都東京に残された貴重な自然を守るために..

    高尾山トンネルの計画見直しを求める請願

高尾山はぼくたちのもの

ぼくの家は高尾山のふもとにあります。おじいちゃんは去年病気でなくなりました。
おじいちゃんは、元高校の先生でした。そして、造園の仕事をしていました。
だから、高尾山の木や草については専門家です。
ぼくはときどき弟とおばあちゃんのところへ行って、一緒に食事をします。

おばあちゃんのとこの庭から高尾山がみえます。
圏央道の工事が始まって、これからどうなるんだろうね、
とおばあちゃんがおじいちゃんの写真を見ながら言いました。
とても心配そうで、ぼくも弟もだまって聞こえないふりをしていました。

あのへんにトンネルの入口ができるんだ、
とおじいちゃんが説明しているのを聞いたことがあります。
そんなことになったらたいへんです。
スローガンの「高尾山にトンネルを掘らせない」は、おじいちゃんが作ったのだそうです。

おじいちゃんは峰尾幸友といいます。
去年までずっと圏央道反対同盟の事務局長をしていました。
同盟がつくられたときからですから一三年間もです。ぼくの生まれる前からです。

おじいちゃんの友達が大勢でがんばって運動をつづけています。
だれかが一○○万人署名をやろうと言い出しました。
ええぇ、ひゃくまん、そんなに集まるかな、と少し自信がありません。
でもおじいちゃんの気持ちを思うとやり抜かなければならないな、と思いました。
ぼくだって圏央道には反対です。
どうしてかというと高尾山は国定公園で、植物や昆虫の宝庫だからです。
それとこれ以上空気がよごれるのはごめんです。
ぼくたちの住んでいる町のすぐそばにはトンネルからの排気塔もつくられます。

空気のきたない高尾山にはもう誰も登りません。
絶滅する木や草もあるでしょう。
滝だってかれるにきまっています。

遠足やハイキングで一年間に二五○万もの人が高尾山に登ります。
一○○万人署名といっても、ざあっと考えて、その半分以下です。
わけないよ、と思いました。

高尾山は子どもたちのものです。
政府に一○○万人署名を届けて
高尾山トンネルに反対している人が大勢いることを
わかってもらいたいと思っています。

1998年7月20日  

小学校六年・峰尾俊太郎

請願の主旨

東京の西郊、都民のオアシスといわれている高尾山は、公園域七七○ヘクタールに過ぎませんが、樹齢数百年にも及ぶブナをはじめ、植物種は一三二○余を数えます。昆虫は実に五○○○種。野鳥一五○種、日本に生息或いは渡来する野鳥のうち三○%を高尾山で見ることができます。まさに貴重な、世界でも希有な生態系といえるでしょう。
かかる生態系の維持は、次世代を担う子どもたちに対して、私たちが負わされている責務であると思います。

請願の項目

一、国定公園高尾山にトンネルを掘れば貴重な生態系は破壊されます。トンネルの計画を中止してください。
一、圏央道東京都分二五キロの環境影響評価は国道二○号(高尾山南麓)を境にして、二つあります。埼玉県境までの二二・五キロと神奈川県境までの二・五キロであります。二つのアセスは整合性に欠け、両者の間の一○年近い歳月の隔たり、社会的変動の激しさを思わざるを得ません。また、高尾山南麓には 六つのトンネル坑口がインターチェンジをはさんでつくられます。高尾山の生態系への新たな負荷は重大ですが、アセスは行われませんでした。
 都市計画決定後あきらかにされたいくつかのアクセス道路を含め、総合アセスメントとして全面的なやり直しを求めます。
裏高尾圏央道反対同盟 牛沼圏央道反対同盟 
高尾山自然保護実行委員会 
高尾・浅川の自然を守る会 高尾自然体験学習林の会
地権者の会・むさゝび党 
高尾山の自然をまもる市民の会
百万人署名・事務局
 ・193-0841 東京都八王子市裏高尾町七八一
・0426-62-8115

衆議院議長殿
参議院議長殿


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  天狗裁判

  高尾山以外の市民運動
反対運動の歴史

年月 出来事
1982.12 都長期計画で広域幹線道路に位置づけ
1984. 6 建設省、八王子市に第一期計画を提示
1984. 8 圏央道計画(95年完成)を発表
        八王子市南浅川・裏高尾住民による反対運動開始
1984.10 都内計画素案の住民説明会始まる
1984.11 摺指、荒井地区住民の「裏高尾圏央道反対同盟」結成
1985. 2 「八王子自然友の会」などの自然保護団体の主催でシンポジウム
「高尾山の自然を考える集い」を開催し約200名が参加
1985. 4 日本野鳥の会「高尾山トンネル建設計画撤回」を要望
1985. 6 高尾山自然保護実行委員会」結成
1985. 8 「圏央道反対同盟連絡会」結成
        裏高尾ジャンクション予定地で自主アセス開始(裏高尾住民150名総出で、多くの学者の協力を受けながら、主として裏高尾における気象観測や大気汚染や騒音の調査を1年間実施
1986. 4 自主アセスの中間報告
計画沿線の3市2町が都市計画原案を都に提出
1986. 9 東京都は、国道二〇号線から埼玉県境までの圏央道に関する環境アセス案を発表し、説明会を実施。
八王子・秋川・羽村・青梅など関係地域での東京都の説明会では、環境影響評価の杜撰さと出鱈目さが明らかになり、しばしば紛糾
1986.11 高尾山自然保護実行委員会は、東京都のアセス案に対し3000通 の意見書、計画撤回の要請署名132,000名分を提出
1987. 8 圏央道反対3周年1000人集会と天狗デモ開催
1988. 1 裏高尾圏央道反対同盟の山田和也氏が八王子市長選挙で市長候補に立候補し、市民の憩いの場である高尾山にトンネルを掘る圏央道反対を選挙スローガンに掲げて戦った。結果は45%の得票を得が落選。
1988. 2 高尾山自然保護実行委員会などが約48000通の反対意見書を提出   
1988. 6 「高尾山の自然をまもる市民の会」結成
1988. 7 圏央道反対4周年2000人集会開催
1988.11 反対住民の意見書の影響から、東京都のアセス案を審議していた東京都環境影響評価審議会は、アセス案が自然保護の観点から不十分であるとして東京都知事に57項目におよぶ改善点を指摘する答申を提出
1988.12 八王子市都市計画審議会は、圏央道に関する市の意見書提出を巡り、反対意見が多いため東京都に提出できない事態が継続
1989. 3 東京都が圏央道を都市計画決定
八王子南IC−青梅IC(都・埼玉県境)
1989. 7 圏央道反対5周年3000人集会開催
1989. 9 裏高尾地区に関する住民説明会が浅川市民センターで開催。
建設省は、裏高尾圏央道反対同盟に結集する住民関係者を排除し地権者約60人のうち4名に対し説明会を強行。このため、住民が強く抗議し、結局説明会は流会
1989.10 借地によるナショナルトラスト運動発表
        「高尾自然体験学習林の会」発足
事業者による路線測量着手
1989.11 建設省圏央道の杭打ち式開催
1992. 7 裏高尾(八王子ジャンクション予定地)で「立木トラスト運動」開始
1992. 8 事業者による用地買収開始
1993. 3 建設省高尾山及び南浅川ボーリング開始
1993.12 秋川で圏央道東京部分着工式
1994. 3 高尾山の自然をまもる市民の会による東京四谷の主婦会館で「圏央道と都市計画法」のシンポジウムを開催
1994. 4 圏央道茨城ルート都市計画決定
1995. 6 高尾山健康度調査報告会「高尾山からのSOS」を開催
1995. 7 ムササビ党結成、南浅川でトラスト開始
1996. 3 圏央道埼玉部分開通(青梅IC−鶴ヶ島ジャンクション間)
1996. 6 市民グループによって、圏央道八王子城跡トンネル北口坑口付近で、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律により希少生物で絶滅の危機にある危急種としてその保護が義務づけられているオオタカの営巣が発見
1996. 7 圏央道反対12周年3000人集会開催
裏高尾反対同盟を始め自然保護団体は、八王子市にある建設省相武国道
事務所に対し圏央道工事の中止とオオタカの調査を要求
1997. 7 圏央道反対13周年3000人集会開催
1998. 1 建設省がオオタカの営巣確認で八王子城跡トンネル(仮称)の工事手法の見直しを表明
1998. 7 圏央道反対14周年3000人集会開催  高尾山宣言
1998. 9 北浅川橋、八王子城跡トンネル工事の開始
1999. 7 圏央道反対15周年3000人集会開催 ジャンクション予定地内の未買収地の実踏調査
1999. 8 事業者が建設相に土地収用法に基づく事業認定を申請
1999.10 都公害審査会が環境影響評価書見直しに関する調停打ち切り
1999.12 中山建設相が反対地権者と懇談
2000. 1 「国史跡八王子城とオオタカを守る会」が会員数104名で結成
中山建設相が事業認定を告示
2000. 7 圏央道反対16周年3000人集会開催
2000.10 東京地方裁判所八王子支部に「高尾山天狗裁判」提訴
東京都八王子市下恩方町北浅川橋橋梁工事部分〜同市南浅川町IC工事部分までの圏央道・八王子JCT・八王子南ICの工事差止めの民事訴訟
2001. 1 東京地裁八王子支部 口頭弁論


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活動中の自然保護団体

高尾山自然保護実行委員会 圏央道から高尾山とその周辺の自然を守ることを目的に、1985年5月東京都内の自然保護団体が集まって結成された。
裏高尾で自主環境アセスメントに参加し、それをもとにした環境アセスメント意見書提出運動を繰り広げ、86年には圏央道計画撤回を求める署名を都議会に提出

「高尾山が危ない」、自然観察ハイキングガイドブック「私の高尾山」等積極的な出版活動でも知られる。


2.高尾山の自然をまもる市民の会 高尾山の自然をまもり、緑の街づくりをすすめるために、1988年6月に八王子市はじめ首都圏、全国の市民団体、住民運動、労働団体、婦人団体、自然保護団体、学者、研究者、文化人等多くの団体及び個人が集まって結成。

1995年から都市計画道路や高規格幹線道路等と対応している首都圏道路問題連絡会の事務局団体を担当
      193-0841 東京都八王子市裏高尾町1343−1
            TEL 0426-62-8115 /FAX 0426-69-7387
  

3.高尾自然体験学習林の会 1989年から裏高尾町の地主の協力を得て、圏央道予定地内の土地に借地権を設定し、賛同者の共同の借地権として登記するナショナルトラスト運動として発足、運動を推進中。1992年より2千数百本の梅林、雑木林およびスギ林を購入し、販売する立木トラスト運動も展開。

土地や林の中で自然に接する自然観察、管理作業を行うほか、高尾山をフィールドに自然観察会を開く等高尾山の豊かな自然の学習、保全の啓発活動を行いながら、圏央道計画の問題点を訴えている。高尾山型ナショナルトラスト、梅の里トラスト、猪鼻山(いのはなやま)雑木林トラストとして、圏央道から高尾山を守る活動をしている。


4.国史跡八王子城とオオタカを守る会 八王子城跡を開発破壊から守る運動は、1965年5月のあしだ曲輪の破壊以来地元の歴史研究団体を中心に行われてきたが、本会は史跡と希少生物オオタカの生息を圏央道トンネル計画から守ることを目的として明確に打ち出した研究・保存運動団体。多摩考古学研究会の有志、八王子城研究会、八王子・城山のオオタカを守る会等からなり、1999年12月に結成。
  

5.地権者の会・むさゝび党 「高尾山の自然および関連地域の住環境を守る」ことを目的とし、そのために、「圏央道およびそのアクセス道路関連の土地を収得し、トラスト運動を行う」こととして1995年結成。会が取得した土地の共有権者をもって会員とし、共有地の各自持ち分を会の承認なしに他人に譲渡してはならないこととしている。
  

6.高尾・浅川の自然を守る会 高尾山の前山金比羅山を学校造成による破壊から守るために1985年に結成。開発撤回により目的が達成されたため、以後高尾・浅川地区の豊な自然を保護し、安全で美しい生活環境を育成することをもって目的とし、現在は圏央道開発計画から高尾山・浅川の豊かな自然を保護し、安全で美しい生活環境を育成することに力を入れて活動している。
  



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