裁判所は高尾山、オオタカ、ムササビ、ブナ、八王子城跡の5自然物については、裁判所の合議(3名の判事による意見の統一)がまとまらないため、原告適格がないとして訴えを却下。
4月6日に提示された却下の理由は概ね以下の通りでした。
当事者欄記載の高尾山、ムササビ、ブナ、八王子城跡及びオオタカがいずれも自然物であることは、訴状中のその旨の記載から明らかである。
そして、訴状中には、人類が生物多様性を保全すべき義務ないし責任の根拠は、人類が自然に付与した文化的な価値には限定されず、自然物の存在自体の尊厳にもある、訴訟はそこから派生する自然物の生存に向けられた権利の究極の救済手段であり、特定の人が自然物のために訴訟を提起しようとしても当事者として認められないことがあるから自然物自体の訴訟主体性を認めるべきである、等の記述が認められる。
しかしながら、民事訴訟の当事者となる一般的能力である当事者能力は、民事訴訟法、民法その他の法令に従って定められることころ、上記の自然物の類に当事者能力を認めたと解すべき法令の規定はない。
そうであれば、本件各訴えは、当事者能力を欠く者によってなされた不適法な訴えというほかなく、これを補正する余地もないことは明らかである。
よって、口頭弁論を経ないで本件の各訴えを却下することとする。
また、この控訴が棄却された理由は概ね以下の通りでした。
本件訴えは、別紙当事者目録に控訴人として記載された動植物その他のものを当事者(原告)とし、被控訴人らが施工する上記第1の2項記載の工事により上記のものの生存や繁殖、生態系の維持が脅かされているとして、上記のもの生存の権利等に基づき、被控訴人らに対し上記工事の差止めを請求するというものである。
原審は、自然物には当事者能力は認められず、本件訴えはいずれも不適法で
そして、本件訴えに係る訴状及び本件控訴に係る控訴状には、自然環境の持つ価値には、人間や自然保護団体の権利や利益に還元できない自然環境そのものが有している部分があり、これは自然そのものが主体となってはじめて主張できるものであって、ここから自然物の生存の権利が派生し、その実定法上の効果として自然の当時者能力が認められるべきであるなどと記載されている。
当裁判所も、別紙原告目録に控訴人として記載された動植物等の自然物は、いずれも当事者能力を有していないものと判断する。すなわち、民事訴訟法28条において、訴訟上の当事者能力は、民事訴訟法、民法その他の法令に従う旨定められているところ、わが国の法令上、上記の自然物について、権利義務の主体たり得ることを認むべき根拠を見出すことはできないし、当事者能力を認めたものと解される規定もない。
したがって、本件訴えは、いずれも当事者能力を欠く者を当事者として控訴代理人らによって提起された不適法なものであり、これを補正することができないことは明らかである。
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